○骨粗しょう症とは
骨粗しょう症は男女ともにかかる可能性がありますが、特に女性に多く見られる病気です。それには女性ホルモンである「エストロゲン」が大きな影響を与えています。エストロゲンは、骨の健康を維持するための重要な役割を担っています。ところが50歳前後の閉経を迎える時期になると、エストロゲンは急激に低下し、骨密度が低下して骨粗しょう症が発症しやすくなります。
しかし、骨粗しょう症や骨密度の低下は高齢の女性だけに起こることではありません。若い女性であっても、栄養不足、月経不順、運動不足などによって骨粗しょう症を発症したり、骨密度が低下して骨折してしまう可能性があるため注意が必要です。
○骨粗しょう症の要因
やせ型の体型
骨の健康を守るためには、食事からカルシウムなどの栄養素をバランスよく摂取することが大切です。過度なダイエットややせ願望などによって必要なエネルギー量が足りていないと、年齢に関わらず骨に悪影響を及ぼしかねません。低体重の人ほど、骨密度が低いことが分かっています。
月経不順
過度なダイエットや運動により月経不順になると、エストロゲンの分泌が減り、若い女性であっても骨密度は低下します。
○骨粗しょう症の予防
食事
大切なのは1日3食をバランスよく、しっかり食べることです。そのうえで、健康で丈夫な骨をつくるために必要な栄養素を意識して摂りましょう。
・カルシウム
骨の主成分である「カルシウム」の摂取量は、男女共にどの年代も不足しています。骨粗しょう症予防には1日700mgのカルシウムを摂るように心がけましょう。カルシウムを多く含む乳製品、緑黄色野菜、大豆製品、小魚などを組み合わせて積極的に取り入れましょう。
〈カルシウムを多く含む食品〉
牛乳コップ1杯(200g):220mg
ヨーグルト1個(120g):144mg
プロセスチーズ(20g):126mg
水菜(100g):210mg
小松菜(100g):170mg
木綿豆腐1/2丁(150g):180mg
納豆1パック(50g):45mg
乾燥ひじき(10g):100mg
しらす干し(10g):52mg
干しさくらえび(5g):100mg
★これらを上手く組み合わせ700mg摂りましょう。
・ビタミンD
カルシウムの吸収を高め、骨への沈着を助けたり、丈夫にしたりする「ビタミンD」の摂取量は、男女ともにどの年代でも不足しています。魚やきのこなどで補いましょう。
・ビタミンK
カルシウムを沈着させる作用をもつ「ビタミンK」が不足すると、適切な骨の形成ができなくなります。納豆や緑黄色野菜などで補いましょう。
運動
いくつになっても、骨は運動によって強くすることができます。ポイントは骨に刺激を与えるような運動です。ジョギングやウォーキング、階段の上り下りの他、かかと落としやジャンプといった運動も有効です。
・かかと落とし
つま先立ちをしたら、かかとをストンと落とすだけです。1日に50回が目安ですが、無理のない範囲で行ってください。また、姿勢が不安定になる人はテーブルやイスの背に手を置いて行いましょう。
生活習慣
・適度な日光浴
ビタミンDは食事から補うことができますが、80%は日光に当たることで合成されます。そのため過度な紫外線対策は、ビタミンDの合成を妨げて骨をもろくしてしまうため、毎日の適度な日光浴を心がけましょう。日焼けが気になる人は、手のひらを日光浴させるのもおすすめです。
・禁煙
喫煙は骨に悪影響を与え、骨密度を低下させます。
骨粗しょう症検診
川辺町で行っている骨粗しょう症検診(対象:20歳・25歳・30歳・35歳・40歳・45歳・50歳・55歳・60歳・65歳・70歳の女性)や、病院などで受けられる骨密度検査を定期的に受けて、自分の骨密度を知ることが大切です。もし「骨密度が低下している」と指摘されても、食事や運動などの生活習慣を改善することで、骨の健康を維持して骨折を予防することができます。
【問い合わせ先】保健センター TEL 0574-53-2515(直通)